「3年間、何を得たのか?」
あの地獄のような練習、試合に出られない悔しさ、理不尽な上下関係。
毎朝の朝練、夜遅くまでの練習、時には怒鳴られ、泣きながらグラウンドを出た日もある。
それでも振り返って思う。
「あの3年間を“耐え抜いた”からこそ、得たものがある」

■ 努力は報われる。その姿を、間近で見たから
私自身がプロになったわけではありません。
試合に出られた時間も多くはない。むしろ、ずっと“その他大勢”の一人だったと思う。
でも、あの3年間でひときわ目立っていた選手が中にはいました。
特別うまいわけではない。でも誰よりも泥臭く、誰よりも練習していた。
一人は、練習後に一人残って自主練をし、監督に「もう帰れ」と言われるまでボールを離さなかった。
彼の姿を見て、「努力するってこういうことか」と思った。
そしてその彼は、大学卒業後に実業団へ進んだ。
その姿を目の当たりにしたことで、「努力は報われる」と信じられるようになった。
自分の人生にも、それはきっと当てはまる。そう思えるようになった。

■ 辛い3年間が「自分を支える土台」になった
当時は正直、辛いことの連続だった。
雑用・しごき・礼儀・上下関係…。
でも、その全てが「社会に出てからの武器」になっていると感じる。
- 誰にでも挨拶することの大切さ
- 面倒なことから逃げない姿勢
- 先輩・後輩との人間関係の築き方
- チームのために動くマインド
社会に出てから「あの3年間に比べれば、全然マシだな」と思える瞬間がある。
苦しい日々を耐え抜いたからこそ、自分に対しての“信頼”がある。
「あのときと比べたら余裕でしょ、今回もきっとなんとかなる」
そう思える経験が、自分の中にある。それは何にも代えがたい。
■ 向上心が、自分の武器になった
全員がレギュラーになれるわけじゃない。
全員がスポットライトを浴びるわけでもない。
それでも、3年間をやり切った仲間たちは、今みんな自分の場所で頑張っている。
以前会った仲間の一人は、当時ベンチにも入れなかった選手だった。
でも彼は、社会人になってから目の色を変えて努力していた。
「ラグビーではずっと陽が当たらなかったから、仕事だけでも輝いてやる」
その言葉を聞いて、胸が熱くなった。
レギュラーでなかった彼がそんなことを思って社会人生活をしていたなんて、今の自分を奮い立たせてくれた瞬間だった。
悔しさを知っている人間は、努力する力がある。
苦しみを乗り越えた人間は、変わる力がある。
そしてあの3年間を耐え抜いたからこそ、向上心という“人生の燃料”が自分の中に残ったのだと思う。

■ 最後に|強豪校を選ぶ意味は、“勝つこと”だけじゃない
正直、強豪校に行くことが正解だとは思わない。
苦しいこともあるし、報われないこともある。
学校の友達とカラオケやゲームセンターに行って楽しく学生生活も送りたかった。
でも――
「ただの3年間」では、絶対に得られないものがある。
自分の限界を知り、他人の努力を学び、仲間と苦しみを共有した。
そして、社会に出ても“自分を支える”力を身につけられた。
迷っているなら、挑戦してみてほしい。
勝てなくてもいい、レギュラーじゃなくてもいい。
でも、「自分を変える3年間」にはきっとなるから。

あなたは今、何を得ようとしていますか?
